佐渡島の貸切ツアーが想像以上にぜいたくだった

はじめまして、トラベルライターの宮下あかりです。
新潟県長岡市出身で、今は東京に住んでいます。

地元・新潟には年に何度か帰省するのですが、佐渡島に渡る機会って意外と少ないんですよね。
「いつか行かなきゃ」と思いながら、気づけば数年が経っていました。

今回、ようやく佐渡島に2泊3日で行ってきたんです。
しかも、観光タクシーの貸切ツアーを使って。

結論から言うと、「なんでもっと早く行かなかったんだろう」と本気で後悔しました。
島を自分のペースで回れる貸切ツアーの自由さ、地元ドライバーさんから聞く裏話の面白さ、そして2024年に世界遺産登録された佐渡金山の迫力。
全部ひっくるめて、想像の何倍も贅沢な時間でした。

この記事では、佐渡島の貸切ツアーの種類や料金相場から、私が実際に体験したルートと感想まで、できるだけ具体的にお伝えします。
佐渡旅行を計画中の方や、「ツアーと個人旅行、どっちがいいんだろう」と迷っている方の参考になればうれしいです。

佐渡島の貸切ツアーにはどんな種類がある?

佐渡島で利用できる貸切ツアーは、思っていたよりずっとバリエーション豊富でした。
ここでは代表的な4つのタイプを紹介します。

観光タクシー貸切ツアー

もっともスタンダードなのが、観光タクシーの貸切です。
佐渡には鉄道がないので、島内の移動はタクシーかレンタカーが基本。
土地勘のない旅行者にとっては、ガイドを兼ねてくれる観光タクシーがかなり心強い選択肢になります。

新潟交通佐渡の場合、料金の目安は以下のとおりです。

車種3時間5時間
普通車(4人乗り)23,100円38,500円
ジャンボ車(9人乗り)31,800円53,000円

観光地を指定したコース割引もあって、「金山と朱鷺コース(3時間)」なら普通車21,000円からとお得です。
ドライバーは「観光優良ドライバーライセンス」の資格を持っていて、ガイドも兼ねてくれます。

もうひとつ気になったのが、おけさ観光タクシーの「ラグジュアリーハイヤーサービス」。
ヴェルファイアに乗って、観光コンシェルジュドライバーが世界遺産エリアを案内してくれるプランです。
コース作成料は1日2,500円(税別)で、タクシー料金は別途かかりますが、時間を気にせずじっくり回りたい方に向いています。

貸切写真ツアー「フォトジェニック佐渡」

SNSで見かけて気になっていたのが、「フォトジェニック佐渡」という貸切の写真ツアー。
両津港から外海府をぐるっと回り、相川方面まで約6時間かけて佐渡の映えスポットを巡るコースです。

佐渡PRフォトグラファーの伊藤ヨシユキさんが関わっているという情報もあり、写真好きにはたまらない内容。
今回は日程が合わず参加できなかったのですが、次の佐渡旅行では絶対に申し込みたいツアーの筆頭です。

貸切ボート・モーターボート

力屋観光汽船では、高速モーターボートの貸切プランがあります。
料金は1グループ5名までで5,000円から、10分から35分のコースが選べます。

佐渡版「青の洞窟」と呼ばれる琴浦洞窟を海上から間近に見られるのが最大の魅力です。
ジオパークに認定された小木半島の断崖を、波しぶきを感じながら進む体験は陸からでは味わえません。
たらい舟体験と組み合わせることもできるので、海からの佐渡を満喫したい方におすすめです。

金山プレミアムガイドツアー

佐渡島の体験予約サイト「サドベンチャー!」では、1日2組限定の金山プレミアムツアーが予約できます。
料金は12,800円で、専門ガイドと一緒に歴史ロマンあふれる金山を歩く内容。

2024年7月にユネスコ世界文化遺産に登録された佐渡金山を、ガイドの解説付きで回れる。
これだけで、佐渡に来た甲斐があったと思えるはずです。

観光タクシーで巡った佐渡の1日

今回私が実際に利用したのは、観光タクシーの5時間貸切コースです。
ここからは、そのときのルートと感想を時系列でお伝えします。

午前:世界遺産「佐渡金山」へ

両津港でドライバーさんと合流し、まず向かったのが史跡佐渡金山。
坑道内の気温は年間を通じて約10℃で、夏は涼しく、冬は逆に暖かく感じます。

私が選んだのは「佐渡金山コース」(大人1,500円、所要60〜90分)。
江戸時代の採掘の様子がリアルな人形で再現されていて、想像以上に見応えがありました。

もっと深く知りたい方には「ガイド付山師ツアー」(大人5,000円、70分、4月〜11月)もあります。
前日16時までの予約が必要ですが、1647年完成の国史跡「大切山坑」をヘルメットと懐中電灯で探検する内容で、冒険心をくすぐられます。

佐渡市の公式ページによると、「佐渡島の金山」は2024年7月27日にインド・ニューデリーで開催された第46回世界遺産委員会で、世界文化遺産に正式登録されました。
日本で26件目の世界遺産。
1997年からの市民活動を経て、27年越しの悲願達成だったそうです。

昼食:佐渡の海鮮と地酒

金山のあとは、ドライバーさんおすすめの店で昼食をとりました。
佐渡は日本海側最大の島で、年間を通じて多様な魚介が水揚げされます。
南蛮エビ、ブリ、イカ、サザエ。
地元でしか味わえない鮮度の海鮮は、やっぱり段違いです。

食事に合わせて佐渡の地酒もいただきました。
佐渡には5つの酒蔵があり、「佐渡五醸」という共通ブランドで統一品種の越淡麗を使ったお酒を出しています。
さど観光ナビの地酒特集ページに5蔵の情報がまとまっているのですが、尾畑酒造の「真野鶴」はIWC金賞を3回受賞している実力派。
北雪酒造の「北雪」はニューヨークやロンドンの高級日本食レストラン「NOBU」でも提供されているそうです。

同じ米を使っているのに蔵の個性がこんなに違うのかと、飲み比べて驚きました。

午後:西三川ゴールドパークと尖閣湾

昼食のあとは西三川ゴールドパークへ。
世界遺産の構成資産である西三川砂金山に隣接した施設で、砂金採り体験ができます。
料金は季節によって変わりますが2,200円〜2,500円ほど。
採った砂金はストラップやペンダントに加工してもらえるので、旅の記念にぴったりです。

最後に向かったのは尖閣湾揚島遊園。
ノルウェーのハルダンゲル峡湾にも匹敵するといわれる海岸景観で、グラスボート(海中透視船)に乗って海中の世界も覗けます。
入園と乗船のセットで大人1,800円。
3月中旬から11月下旬まで運航しています。

ここで5時間のツアーが終了です。
振り返ると、金山で約90分、昼食に60分、ゴールドパークで40分、尖閣湾で30分、移動が残り。
時間配分はドライバーさんと相談しながら決められるので、「金山にもう少しいたい」「ここは外観だけでいい」といった調整が効くのが貸切の強みでした。
団体ツアーのように次の場所へ急かされることが一度もなかったのは、地味だけど大きな違いです。

貸切ツアーだから味わえた「ぜいたく」の正体

佐渡島の貸切ツアーで感じた「ぜいたく」は、豪華なサービスや高級な料理のことではありませんでした。

まず、時間に縛られない自由さ。
団体ツアーだと「この場所は20分で」と決められてしまいますが、貸切なら自分のペースで回れます。
金山の坑道で足を止めてじっくり解説板を読んだり、景色がきれいな場所で車を停めてもらったり。
「自分だけの時間」が流れている感覚が、何より贅沢でした。

次に、ドライバーさんの地元トーク。
佐渡で生まれ育った方だったので、ガイドブックには載らない話がどんどん出てきます。
「この集落は昔こうだった」「この時期はあっちの浜で揚がる魚がうまい」。
何気ない会話が、観光の深さをまるっきり変えてくれました。

そして、ルートを自分で組めること。
今回は金山中心のコースにしましたが、能舞台巡り、酒蔵巡り、海岸線ドライブなど、希望に合わせて自由にカスタマイズできます。
「こういう場所が好きなんです」と伝えたら、ガイドブックに出てこない穴場を教えてくれたのも嬉しかった。

佐渡島でもう一泊するなら体験したいこと

5時間の貸切ツアーだけでは回りきれないスポットも多いので、佐渡島に行くなら2泊以上をおすすめします。
次回ぜひ体験したいことを挙げておきます。

能舞台で薪能を見る

佐渡には現存する能舞台が30以上あります。
これは日本全国の能舞台の約3分の1にあたる数です。

初代佐渡奉行で能楽師出身の大久保長安が能を広めたのがきっかけで、佐渡では庶民の娯楽として能が根づきました。
6月から8月にかけて各地で薪能が開催されていて、地元の人も観光客も一緒に楽しめる開放的な雰囲気が魅力です。
さど観光ナビの能舞台特集で演能スケジュールが公開されているので、旅程に合わせて計画を立ててみてください。

鼓童の太鼓を体で感じる

国際的な太鼓芸能集団「鼓童」が運営する「たたこう館」では、鼓童メンバーの手ほどきで太鼓を叩く体験ができます。
佐渡産木材を使った音響抜群のホールに、樹齢推定600年のケヤキ原木大太鼓。
体の芯にズンと響く音は、一度味わったら忘れられません。
個人コースは60分で、2日前までの予約が必要です。

古民家一棟貸し「さどまり」に泊まる

佐渡汽船グループが運営する「さどまり」は、築100年超の古民家をまるごと借りられる宿泊施設です。
「大和の家」と「泉の家」の2棟があり、2025年にグッドデザイン賞を受賞しています。
スマートロックによる無人チェックインで、自分たちだけの空間でのんびり過ごせます。

ほかにも、7,000坪の日本庭園を持つHOTEL AZUMA(ホテル吾妻)は露天風呂付プレミアスイートがあり、日本の夕陽百選に選ばれた夕日を部屋から眺められます。
古民家を1日1組限定のプライベートヴィラに再生した「AKIYATO」も気になる存在。
廃船を再利用したインフィニティ露天風呂や、明治時代の蔵をリノベーションしたサウナなど、佐渡でしかできない宿泊体験を提供しています。
佐渡の宿泊は「量より質」の選択肢が確実に充実してきています。

佐渡島へのアクセスと旅のヒント

新潟港からジェットフォイルで67分

佐渡島へは佐渡汽船を利用します。
新潟港〜両津港間のジェットフォイルなら最短67分、カーフェリーなら約2時間30分。

ジェットフォイルの運賃は大人片道7,970円(2026年4月以降)。
4泊から9泊のロングステイ割引で往復約30%OFFになるプランもあります。
JR新潟駅から新潟港まではバスで約15分、タクシーなら約10分。
東京駅から上越新幹線に乗れば新潟駅まで約2時間なので、朝出発すればお昼前には佐渡に着けます。
「離島」という言葉の印象ほど遠くはありません。

旅の情報収集に使えるアカウント

今回の佐渡旅行の計画段階で、SNSでの情報収集がかなり役立ちました。
特に参考になったのが、新潟のハイエンドな体験や観光スポットを専門に紹介しているXアカウントです。
佐渡島の貸切写真ツアーや砂金採り体験の投稿があり、「こういうツアーがあるんだ」と気づくきっかけになりました。

佐渡に限らず、新潟の高級旅館やアクティビティの情報がまとまっているので、新潟旅行の計画時にチェックしておくと発見があるはずです。

まとめ

佐渡島の貸切ツアーは、思っていた以上に贅沢な体験でした。
その「贅沢」は値段の高さではなく、自分のペースで島を味わえる自由さにあります。

世界遺産の金山、5つの酒蔵、30以上の能舞台、日本海の絶景。
佐渡島にはこれだけのコンテンツが詰まっていて、しかも観光地特有のごった返す混雑がありません。

貸切タクシーの料金は3時間で21,000円から。
2人から4人で割れば1人あたり数千円で、ガイド付きのプライベートツアーが楽しめます。

「佐渡島って実際どうなの?」と聞かれたら、私は「行かないともったいない」と答えます。
特に、新潟出身なのに佐渡に行ったことがないという方。
地元にこんな場所があったのかと、きっと驚くはずです。